ストライクフォース観戦記、そしていろいろ思うこと

 ニコニコ動画ストライクフォースの中継をやってくれることになり、朝10時に起きて観戦。画質が悪い等いろいろあったがまずは中継ができて無料で見れたことに感謝(ニコ生放送決定が15時間前だったことから放映自体にそうとうなドラマがありそう)
 今大会はキング・モーゲガール・ムサシダン・ヘンダーソンと日本でもおなじみの選手も出ており、そして何より日本ミドル級エースの青木真也も出ていた。元々UFCで活躍していた岡見を覗き、日本で日本でスターとして実績を買われ全米へという流れの中で、宇野と五味はUFCで惨敗し、日本人最後の砦としてこの青木には相当な期待がかかっていたし、やってくれるという期待があった。

 しかし結果は青木の惨敗


 見終わった後は、”日本最弱”を思い出し、青木の惨敗に気持ちが飛んでしまった。あぁ、今の日本て、スポーツも政治も経済も技術もすべて井の蛙だったのかと。
 ただ、時間を経て、外出し駅へ良く道中あの惨敗を思い出しながらいろいろ考えてみると、ただ青木の実力不足という問題だけじゃない大きな問題があるなぁ思った。そしてそれは今のいろんな状況にも言えているんじゃないかと。

 試合内容はテイクダウンを狙いにいく青木をメレンデスがつぶし、ひたすらスタンド勝負。常にグラウンドでも上のポジションを取り、パウンドを当てていく。だが寝技に一切付き合わない。確実に青木の良さを消すメレンデスの作戦勝ちという試合だった。
 メレンデス陣営は青木を研究しつくし、作戦を立て、それを実行した。それは青木が18回タックルへいってそのすべてを失敗させたところにも、青木の寝技を確実につぶし続け危険の少ないスタンド勝負を続けたところにも出ていた。一方の青木、初ストライクフォースで初めてのルール、初海外という初物尽くしの中、リング、ルールへの対応から相手の研究ができていたのだろうか?例えば青木がよくやる技の尻歩き、据わった状態で擦り寄っていく技はストライクフォースでは減点の対象になっていた。またテイクダウンによるポイントが高いこと、インターバルの短さ、金網への押し付けるといった戦い方は全くなされていなかった。そのあたりの情報や戦術、戦略が全くといっていいほどなかったのではないか?じゃあなぜそれらがないのか。おそらく青木に指示が出せる人がいなかった、つまり、青木のチームがうまく機能していなかったんじゃないだろうか?
 今回青木のセコンドには北岡が付いていた。北岡と青木の親交が深いのは雑誌の対談で知ってはいたが、いかんせん北岡はパングラスism所属であり、青木はパラエストラ東京という全く違う組織であり、北岡は戦極、青木はDREAMという別の大会に出ている状態。北岡はすごく強い選手だがストライクフォースの経験があるわけじゃない。一方のメレンデスはジェイク・シールズ・ファイティング・チーム、ダンヘンダーソンと戦い勝った(今大会で一番おもしろい試合だった)シールズのチームであり、ストライクフォースのリングを知り尽くしている。そして対戦相手の分析力も相当なものだった。つまりこの試合は、個の力の負けだけじゃなく組織力の負けなんじゃないかと。
 結局日本の戦い方って強烈な個人にひっぱってもらうというだけで組織力なんてあんまないんだろうな、と駅に向かいながら考える。戦術、戦略とかをみんなで分担分析するわけでなくひとつの標題にみんなで突っ走る全体主義な感じとでも言おうか。

あ、眠くなってきた。寝よう。