宗教と社会情勢とヒーローと

  • ジュピターズムーン

 1100円デーなので映画を見に行く。最近は無条件アメコミ映画のみ見てばかりだったので、久しぶりにヨーロッパ系の映画を見に行った。後ろの兄ちゃん2人組は今年最低の映画が決まったと言っていたが、まぁ言いたくなる気持ちもわかる。そんな映画だった。
 主人公は事故で将来有望なスポーツ選手の若者を殺してしまった医師とヨーロッパへ亡命しようとする難民の青年。自暴自棄になる医師は難民を逃がして金を儲け、そのお金で被害者に慰謝料を払い仕事に復帰しようと画策、難民の少年は亡命中に警察に銃撃され死んだ、と思ったらそこで空を飛ぶ能力を得る。というなればアメコミ映画でもあるんだが、そこはヨーロッパのアート系映画、現在のヨーロッパの問題である難民問題から宗教の問題(見た後思えば冒頭に医師がキリスト教の勧誘を受けるのは後半への伏線だった)といった、ハリウッド映画のようなわかりやすさはなく、ある程度知識が必要であり、彼ら若者2人は学がなく、ただスカッとする映画を期待してたのだからこの映画の節々が理解できなかったのだろう。仕方がない、この映画が糞なのではなく、彼らは学がなかった、それだけのこと。
 自分はハリウッド大作も好きだし、アート系の映画も好きだ。どっちが良いかというものでもないし、時にはバカみたいなアクションも見たいし、時には深く考える味わい深い映画も見たい。映画芸術に偏るのも映画秘宝に偏るのも嫌だ、どちらも見るしどちらもおもしろい。両極のマニアのせいで今映画を見る人が減っているので、そこはうまくバランスとっていきたい。