数年ぶりに鑑賞、そしてご挨拶

 連休最終日、ネットで見つけたトランスアートトーキョー(TAT)の一環の映画鑑賞イベントに行ってみる。会場は現在取り壊し中の東京電機大学地下。そこに椅子を並べ、スクリーンを置き映画を鑑賞、その後監督のティーチインがある。解体中の電機大地下はコンクリートむき出しでとてもよい雰囲気。一眼カメラがほしくなった。

http://kanda-tat.com/

 鑑賞した映画は、石川寛監督の"好きだ、"。大学時代に通った専門学校の講師であり、その後、ちょうどこの映画製作時に営業として編集機材を収めに行き、これで3度目会うことになり、挨拶をしたところ、覚えていたようで、すこぶるうれしかった。
 石川監督作品2作目の"好きだ、"を見るのは2回目だが、あのときより登場人物の年齢に近づいたのか、とても心にすっと入ってくる映画で、ひさしぶりに見て良さの再確認ができた感がすごくある。何度も見たくなる映画とはこういう映画なんだろう、最近ブルーレイも発売されたし、買ってみようか。

 映画鑑賞後のティーチインは恋愛について、そして東京という町の特異性を絡め、この映画を制作していく中で考えたこと、制作の流れ等はなしていった。まず、撮影が全部で4週間(日本映画のこのバジェットだとこのくらいが妥当とのこと)、順撮りすることで演者の心の動きを大切にする。タイトルの由来が仮タイトルからストレートにもってきた(後半部分の文を切ったので"、"が入っている)等の話が聞けておもしろかった。会場からの質問では自分はどうしても技術的な質問がしてみたくなり、あまり会にそぐわないかと思って聞けなかったが、参加者の人の質問で、石川監督の作風である何気ない一瞬を切り取り膨らませる映画は、極限の感情を前面に出す昨今の映画と比べて評価されにくいのでそこをどう考えてるのかとう質問への回答がすごく印象的だった。監督自身もそういった大きな感情の起伏、たとえば犯罪者を描くといったものを撮ることへの葛藤、そういった映画の重要性を案じつつ、もっと小さな動きをとりたいというところもあるという、また先週黒澤監督との対談で原作のある大作を撮ることで客をよび盛り上げることへの重要性もわかっているけどといったぶっちゃけトークも聞くことができた(オリジナル3作とってきちゃったから依頼こないかも、とも話してた)

 今、自分も今後のことで結構悩んでいる中でこのイベントに参加したことで、考え直してみる時期に来てるなと感じており、誕生日まで少し考えてみようと思う。