役者とは、演技とは

  • バードマン (あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 やっとバードマンを渋谷に見に行く。お祭りで人がごった返していたが、映画館は空いていた、もう終わりかけだしね。
 かつてバードマンというヒーローもので人気だった落ち目の役者が文学作品の舞台で一発逆転、演技派として再起を賭ける。現在のハリウッド映画はアメコミ映画全盛でブロックバスター級はほぼアメコミか続編となっている。そして、かつてイケメンだった役者も次第に年をとり、ヒーロー役ができなくなると演技派の道を模索していくという図式は現代のハリウッドの現状であり、主役のマイケル・キートンバットマンで一斉を風靡した役者だということも狙っての配役だろう。
 正しく、役者のための映画であり、アカデミー賞投票者の大半が役者だということを考えても作品賞は間違いない作品だった。
 そして、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの十八番のロングショットは、ジャズドラムをバックにすることで一層引き立っていた。映像、演技、舞台を作る人たちへ、迷ったときは見ると良い映画だった。