それでも日々は過ぎていく

 1年前、人生で初めて地震で避難をするという体験をした。震源地から離れた東京にもかかわらずに。屋外であそこまでゆれを感じたのは初めてで、タイルには亀裂が入っていた。その後テレビで津波をリアルタイムに見せつけられ、起こった事の規模の大きさに慄いた。
 あれから一年経った。正直、世の中から震災が薄れていっている感がある。人は忘れていく生き物で、震災前に受験で携帯を利用しカンニングをした男性のことなどもうだれも話さなくなった。東京はなんの問題もなかったといった石原都知事原発推進軍国主義脳の昭和かぶれのまま当選し、落選したワタミの社長はついこの前過労働で自殺した社員にむけてその思いで学校を作ろうとか言い出したが、もうだれも話題にしなくなった。

 でも、震災で家を失った人たちはまだ多く、職も無く苦しんでいる人たちが東北には多くいるのだろう。阪神淡路大震災の復興段階での諸問題をベースにうまく復興していけるといいなぁとは思うが、その教訓はいかせるのだろうか?

 原発の問題も片付かない。津波で被害を受けた土地の問題も。だれもがこうしたいという思いはある。理想がある。でも、みんな別方向を向いて綱引きを繰り返しているので時間だけがすぎていってしまっている。解決するには決断してかねばいかんのだろうけど、思いだけが強すぎて、ぶつかりあう。

 春が待ち遠しい。